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フラットシーマーとは

フラットシーマーの歴史

フラットシーマーは1962年(昭和37年)頃にアメリカのユニオンスペシャル社が開発した、平面縫製ができるミシンのことです。しかし現在ユニオンスペシャル社はフラットシーマーの生産を終了しており、弊社では国内のミシンメーカーが開発したフラットシーマーを使用しています。

フラットシーマーの特徴

フラットシーマーでは、4本もしくは5本の針と6本の糸を使って2枚の生地を縫い合わせることができます。その際に平ら(Flat:フラット)な縫い目(Seam:シーム)ができるので、フラットシーマーと呼ばれています。

特殊な形状の押さえ
押さえとラップフォーマー

フラットシーマーを使った製品

フラットシーマーで縫うと、写真のように2枚の生地を1枚の生地のように縫い合わせることができます。この縫製技術は凹凸が少ない縫い目が特徴で、競泳水着をはじめ、婦人ファンデーション、スポーツ用インナー、矯正下着、ベビー服、また一部のカジュアルな洋服などに使われています。

フラットシーマーの種類とレアパーツ

弊社では3種類のフラットシーマーを常時用意しています。
・針巾5.2mm(両切り)7台
・針巾5.2mm(片切り)1台
・針巾6.0mm(両切り)2台


なお、パーツは豊富に準備しているので、縫製状況に合わせてラインナップの台数は変更可能です。珍しいパーツとしては、30/10裏毛のような厚物でもしっかり縫える左右段違いの押さえ。さらには薄物でもキレイな縫い目が作れるように、送り歯と押さえが延長されたタイプなどもあります。

ラップフォーマーと呼ばれる、左右の生地の重なり具合をコントロールする部品に至っては、20本以上のストックがあり、生地の性質によって使い分けすることで綺麗な縫い目に仕上げています。

針幅が5.2mmと6.0mmの針株があります
針板に付ける爪も同じように2種類あります

段違いの押さえ(激レア部品)

薄物がよく縫える
送り歯を延長させる部品(レアパーツ)


2023年に新しく入手した、厚物用のフラットシーマーの押さえ。
通常の押さえと違うところは、下部にある「トンネル」のエグリが深い所と、メス幅が広いことが特徴です。 それと底面にある「小押さえ」の形状が、長い送り歯に対応していて生地が進みやすいようになっています。



フラットシーマーが得意な理由

弊社はフラットシーマーを徹底的に研究してきました。フラットシーマーを知りつくし、整備だけでなく分解・修理ができるからこそ、常にフラットシーマーを最適な状態に維持できます。この保全力が、様々な仕様や多様な生地に素早く対応できる弊社の強みです。

さらにはフラットシーマーだけに限らず、キレイに縫うためための部品、つまり縫いやすくなるようなアタッチメントを自社で作ることができます。そのためには鉄板加工の技術が必要になるわけですが、それは会長が鋼材屋に11年間勤めていた経験があるからこそ。硬い鉄のことを知り尽くした知識が、実は柔らかい布に活きています。

ルーパーと針のタイミング合わせ
フラットシーマーのシリンダー取り外し
シリンダーロッドの中の部品
ルーパーの前後のガタを取り除くためのルーパーロッドの交換
ルーパー軸が通るブッシュ
フラットシーマーの「針とルーパーのタイミング」調整