フラットシーマーの整備(難度:中)
みなさん、こんにちは。課長の井上です。
おかげさまで弊社は今日も元気に100%稼働しております。
5月に来たばかりのフラットシーマー11号機ですが、本格的に使ってみると、どこか調子悪い。
短い部位をゆっくりと縫えば問題はないのですが、長い距離をダダダダーーーーっと縫うとなると、ときどき目飛びが出たり、縫い目が綺麗ではない状態でした。
「そういえば、この11号機が届いてからゲージを当てて精度を確認してなかったな…」
と思いながら、この調整作業と今日やりたかったこと、を天秤にかけてしばらく考えました。
なぜならこのゲージを当てて調整するというのは、フラットシーマーを工場出荷状態の基本設定にリセットする作業なので、いくつもの手順を0.1mm以下の高精度で仕上げる必要があり、かなりの集中力と根気が必要になるから、生半可な覚悟ではできないのです。
下手するとフラットシーマーの調子を落とすこともあるわけです。
いざ決意し、バラしてみると…。
大きな調整が必要なヶ所が3ヶ所ありました。
1つ目は、シリンダーの先端にある針板の左右位置。
写真をよく見て下さい。
5本の針が針板に対して微妙に左に寄ってるのが分かるでしょうか?
針の位置は動かせないので、針板が乗っているシリンダーと呼ばれる長い腕状のものを左右に動かさなければなりません。
息を殺して何度も何度も左右に0.1mmずつ動かしながら、針がドンピシャで真ん中にくるようにシリンダー位置を調整しました。
次は、ルーパーと呼ばれる下糸を針糸にかける部品の左右運動量の調整です。
これはフラットシーマーの中で(恐らく)唯一ある逆ネジを触るので、要注意です。
最後が、針とルーパーのタイミングでした。
写真はありませんがカップリングのネジ3個をゆるめて、ルーパーのタイミングを測ります。
プーリーを右に左に回しながらピンポイントの場所を探して行きます。
専用ゲージで1目盛り以内は許容範囲となっていますが、そこを妥協しないのが、the美泉流です。
じつはこの作業に2時間ぐらい掛かってしまいました…。
途中で色々な仕事をしましたが結局丸一日かかって、試し縫いができたのは夕方になっていました。
それでも、いいんです。
フラットシーマーをぶん回しても綺麗な目がでるように完璧な調整ができましたから(笑)
久しぶりにゲージを使った調整作業をしたので、少し興奮しながら、本日の業務は終了です。
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